令和五年のご挨拶

創始111年・八津御嶽神社 宮司 山本行徳

「祈れば浮かぶ瀬あり」

えやみときのけ 三年を越える疫病が今や人びとの心の重さになっています。
そして歌を忘れたカナリヤのように私たちは祈りの生活が薄らぎ勝ちになってしまいました。
コロナ災禍の中、人が死するときのこれ迄に無い扱い、死後の世界、ご先祖への心向けに変化が生まれているような気が致します。そして虫けらのように打ちけされる戦争の映像、命の軽さなどこの事実は、変動されて余儀無しの今の状態です。
家族は自分は自分と親への思いにも少なからずや影響しています。変わってはいけない「魂の存在」に対する尊厳ヘの心根を崩しがちであります。「徳のある存在」など目には見えない影のカを強く体験して意識し、まさに自家成立行こそ、尊い神の道であります。
人への思いやり、励まし、優しさ、目に見えない心の動きを改めて認識しましょう。
ご祖先のありがたさ、人びとの温かさなどを感じる世界が祈りであり、信仰の目指すところかと改めて認識して行かねばなりません。
今年への占うべき運生、「冬至のご燈火の消火」はあまりにも平穏を呼びかけています。世界、日本が安泰を願う余りの神の意志なのだろうか?
或は警鐘なのか? 特別の変化の傾向の警告は無い。
調子がいい自分なのか、変化しない自分なのか。或はいい人はいいなりに、悪い人はわるいなりにともとれる。戦争も終わるようで終わらない。疫病も終わるようで終わらない。とする月日が流れれるともとれる。
それだけに私たちは、心の中味が問われています。
されども兎が飛び跳ねるように、活動的で明るい年の令和五年四緑木星卯癸歳の相性、良い歳である事は問違いない。
それは「筋道」を立てれば成功するという意味を持つ、神の意志と違う道を選べば必ず大失敗に終わるという意味でもあります。
世の中が変わるもの、変わってはいけないものを見極める一年と心得たい。
飛び跳ねても過去を捨てるわけでもないが、こだわるものでもない。
飛び跳ねただけ分だけの新たな受け皿を考える事を忘れてはならない。
行くにいけないのではなく、前を向かって進み行きましょうと心を励ましたい。そして飛び跳ねただけの効果のある今迄と違う自分造りの結果を出さなければなりません。「祈れば浮かぶ瀬あり」と開山の祖はご教化されています。

(令和5年1月1日元旦祭)

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