日本古来の音楽や舞、さらには平安時代に作られた歌曲(催馬楽・朗詠)を含めた総称を「雅楽」と呼びます。宝生敬神会ではこのわが国ならではの伝統を現代に残し、伝えていくために毎月、その道の専門家をお迎えし、「雅楽」を学びたい方を練習生として指導していたり、ご希望に応じて当会の雅楽隊による出張演奏も承っています。ご興味のある皆様は本ページをご参照の上、気軽にお問い合わせください。
当神社では平安時代から代々「楽家」(がっけ:雅楽を操る一族)の家系をもつ先生を講師にお招きして、毎月一回、笙(しょう)や篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)の指導を行っています。ご興味のある方であれば、どなたでも参加することができますので、当神社・社務所あて気軽にお問い合わせください。尚、受講費用は毎月3,000円以上を幣帛料(へいはくりょう)として納めていただくことになります。
当神社では結婚披露宴や各種おまつりごと、演奏会や催事など、雅楽隊の出張演奏も承っております。出張エリアや費用などの詳細は当神社・社務所にてご希望内容をお尋ねの上、回答いたしますの。ご興味・ご関心のある皆様は気軽にお問い合わせくださいますよう、お願い申し上げます。
「雅楽」という言葉には、俗楽(一般の音楽)とは一線を画する「雅正の楽」という意味があります。その歴史は古く、そもそもは大宝令(701年)により創設された雅楽寮(うたまいのつかさ)で所管された外来の音楽と舞を指していました。現在でも雅楽というと、これら外来の音楽と舞(管絃・舞楽)のみを指す場合もありますが、正式には日本古来の音楽や舞(国風歌舞)、そして平安時代に作られた歌曲(催馬楽・朗詠)を含めた総称を「雅楽」と呼びます。
こうした雅楽寮に始まるこれら雅楽の伝承は、現在の宮内庁式部職楽部(くないちょうしきぶしょくがくぶ:重要無形文化財団体指定/総理府技官)に至るまで、1200年以上も形を変えることなく受け継がれています。加えて、現存する合奏音楽としては世界最古と言われ、その音楽的・歴史的価値は国内のみならず欧米でも高く評価されています。
雅楽の演奏は西洋音楽と同じように管楽器・絃(弦)楽器・打楽器に大別されます。但し、西洋音楽とは各楽器の使い方などが異なり、各楽器の役割が明確に決められています。例えば琵琶や箏(しょう)といった絃楽器はメロディーやアルペジオを奏でるのではなく、リズム楽器として位置付けられ、主旋律は管楽器である篳篥(ひちりき)が担当すると決まっています。これらは楽器や楽曲の構造・特性から次第に固定されていったものだと考えられています。また、雅楽では管楽器を吹物(ふきもの)・弦楽器を弾物(ひきもの)・打楽器を打物(うちもの)と呼ぶこともあります。